記事一覧(2ページ目)

新しい順に全193本

最新の記事

宇宙では涙がこぼれない──体を洗うのはコップ1杯、尿も飲み水に戻る

無重力では水は下に落ちず、表面張力で丸い玉になって漂う。だから泣いても涙は頬を伝わず、目のまわりに溜まっていく。体を洗うのはコップ1杯ぶんの150〜200mL。しかも尿や汗、吐く息の湿気まで集めて98%を飲み水に戻している。蛇口の水が落ちるのは、当たり前じゃなかった。

いちばん近い星の光でも、見えているのは4年前の姿

太陽の光が地球に届くのに約8分。でも隣の恒星プロキシマ・ケンタウリの光は、4年以上かけてやっと届く。夜空に見えるのは全部ちょっと昔の姿で、今まさにそこで起きていることは誰にも見えない。約40兆km先の「過去」を、わたしたちは毎晩見上げている。

宇宙飛行士のために作った無線センサーが、心臓の血管の中で入院を防ぐ

宇宙ステーションで体を測るために作られた電池のいらないセンサーが、いまは心不全患者の肺動脈に埋め込まれている。埋め込み1年後、心不全での入院は73%減った。極限環境向けの工夫が、地上でいちばん助けを必要とする人の胸の中で静かに働いている話。

土星の北極に40年居座る六角形、南極ではいま十角形が育ちつつある

土星の北極には40年以上ずっと同じ六角形が居座っている。ところが反対の南極で、ハッブルが10辺の『十角形』をとらえた。2023年にはかすかだったのが、2024、2025年とはっきり育っていく。同じ惑星の反対の極で、なぜ辺の数が違う形が生まれるのかは、まだ誰にも分からない。

炭素でできた空の底にダイヤの雲 ── 太陽系の常識が通じない系外惑星

パルサーを7.8時間で一周する木星サイズの惑星。その空はヘリウムと炭素でできていて、水もメタンもない。昼は約2000℃、空の底では炭素がダイヤの雲になる。しかも、どうやって生まれたのか誰にも説明できない。JWSTが見つけた、太陽系のどの惑星とも似ていない空の話。

ウェッブが見つけた、爆発する前の星の姿——ハッブルには写っていなかった

2025年6月、4000万光年先で星が爆発した。天文学者がまずやったのは昔の写真をめくること。ハッブルには写らなかった親星が、ウェッブの赤外線画像にだけ写っていた。星が自分のちりに隠れていたからだ。爆発のあとに「生前の姿」を探す天文学の答え合わせ。

月が2つあったら夜は明るく、潮は街をのみ込み、やがて地球に環ができる

満月がもう1つ空に増えたら、夜は星が見えないほど明るくなり、潮の満ち引きが重なって海辺の街まで海水が上がってくる。しかも2つの月は長く仲良く回り続けられず、いつか衝突して地球は土星のような環を持つかもしれない。遠ざかり続ける今の1つの月が、どれだけ絶妙なバランスの上に乗っているかという話。

小惑星の軌道を32分ずらせたのに、なぜそこまで効いたかは誰も知らない

2022年、NASAのDARTが小惑星ディモルフォスに探査機を突っ込ませ、軌道を32分ずらした。成功ラインの25倍も効いた大成功。ただ『なぜそこまで効いたか』は誰も答えられない。ESAのヘラが4年越しの答え合わせに、いま現場で傷あとを測りに向かっている。

天王星と海王星の奥で、メタンがダイヤに化けて雨のように降っているらしい

大気のメタンにふくまれる炭素が、内部の高い圧力でぎゅっと押しつぶされてダイヤになり、雨みたいに沈んでいく——天王星と海王星ではそんなことが起きているらしい。しかも深すぎて、誰も拾いに行けない。ありふれた気体が宝石に化ける、圧力の話。

銀河中心のブラックホールを正確に測るのは、そばを回る死んだ星の時計かもしれない

天の川の中心には、太陽をまるごと400万個分も詰め込んだブラックホールがある。そのすぐ隣で、ミリ秒ごとに規則正しく光る『死んだ星』が本物なら、極限の重力の下でアインシュタインの理論を試す最高の物差しになる。なぜ燃え尽きた星が、宇宙で一番正確な時計になれるのか。

宇宙にしばらく住むと体は宇宙用に作り替えられる──骨は毎月1%減る

無重力に入ると体液が頭へ流れて顔がむくみ、脚は細くなる。心臓は形を変えてサボりはじめ、体重を支える骨は『もう支えなくていい』と毎月1〜1.5%ずつ溶けていく。背骨は伸びて背が高くなり、目の見え方まで変わる。体が地上仕様を勝手に解除していく、宇宙飛行士の体の話。

自分で光らない惑星が、はるか遠くの星の光をゆがめる一瞬に見つかる

惑星は自分では光らないのに、太陽系の外ではすでに6,000個以上が確認されている。手前の星の重力が奥の星の光を一瞬だけ明るくする——その歪みから見えない惑星を探すのが重力マイクロレンズ。ハッブルの100倍の視野で10万個を狙うローマン宇宙望遠鏡の主力になる。

太陽系の外から来た彗星は、二度と戻らない軌道の形でよそ者とバレる

2025年7月、チリの望遠鏡が捉えた3I/ATLASは、太陽の重力に一度も捕まらず二度と戻らない開いた軌道を描いていた。惑星や普通の彗星が必ず輪を描いて戻ってくるのに対し、顔つきではなく、この開いた軌道の形こそが太陽系の外から来た客の動かぬ証拠になる。

TESSが見つけた惑星6000個、本物と確定したのは679個だけ

宇宙メディアSORABUMIが解説。NASAのTESSは2025年9月時点で6000個近い系外惑星の目印を見つけたが、本物と確定したのは679個。残る5000個超の候補を、減光をまねる食連星や黒点と見分け、星のふらつきで質量を量って確かめる地道な検証の話。

海王星の小さな月ヒッポカンプは、砕けた月のかけらでできた三世代目

海王星の内側には、大きなトリトンとは似ても似つかない小さな月が窮屈に並ぶ。JWSTの赤外線観測で、それらは氷が少なく黒っぽいと判明した。トリトンの捕獲で砕けた元の月が再び集まった二世代・三世代目の姿を、宇宙メディアSORABUMIが解説する。

土星の月タイタン、北の海の上で雲がわき上がる瞬間を初めてとらえた

土星最大の衛星タイタンの北半球で、雲がわき上がる様子をJWSTとケック望遠鏡がとらえた。降るのは水ではなくメタン。約30時間かけて雲を追い、地球の外にも季節と天気がめぐる世界があることを確かめた観測を、宇宙メディアSORABUMIがやさしく解説する。

ブラックホールの0.55光年隣で、死にゆく星が水とちりを作っていた

天の川銀河の中心にある巨大ブラックホール、いて座A*からわずか0.55光年。銀河でもっとも過酷な放射環境のすぐ隣で、寿命末期の老巨星IRS 3が今も水とケイ酸塩のちりを作り続けていた。JWSTがとらえた宇宙のものづくりの話。宇宙メディアSORABUMI。