太陽系のなかまたち

太陽と惑星、月、彗星、小惑星。私たちのご近所、太陽系の素顔に迫る。

46本の記事

記事一覧

星や惑星が丸いのは自分の重力が角を削るから、氷は岩より小さく丸くなる

小惑星ベスタは差し渡し約530kmもあるのに角張ったいびつな形。でも約394kmと小さい土星の衛星ミマスはほぼ丸い。丸くなる境目は大きさだけでなく、岩か氷かで動く。十分重くなると自分の重力が自分の角を削り、どの方向もほぼ同じ半径に落ち着いていく。

金星は地球の双子なのに地表は鉛が溶ける467度、犯人は暴走温室効果

大きさも質量も地球とそっくりな金星。なのに地表は467度、鉛がドロドロに溶ける。気圧は地球の93倍で、深さ900メートルの海の底にいるようなもの。同じ材料で生まれた隣の星をここまで変えたのは、二酸化炭素の大気が熱を逃さない暴走温室効果だった。

土星の北極に40年居座る六角形、南極ではいま十角形が育ちつつある

土星の北極には40年以上ずっと同じ六角形が居座っている。ところが反対の南極で、ハッブルが10辺の『十角形』をとらえた。2023年にはかすかだったのが、2024、2025年とはっきり育っていく。同じ惑星の反対の極で、なぜ辺の数が違う形が生まれるのかは、まだ誰にも分からない。

太陽系の外から来た彗星は、二度と戻らない軌道の形でよそ者とバレる

2025年7月、チリの望遠鏡が捉えた3I/ATLASは、太陽の重力に一度も捕まらず二度と戻らない開いた軌道を描いていた。惑星や普通の彗星が必ず輪を描いて戻ってくるのに対し、顔つきではなく、この開いた軌道の形こそが太陽系の外から来た客の動かぬ証拠になる。

海王星の小さな月ヒッポカンプは、砕けた月のかけらでできた三世代目

海王星の内側には、大きなトリトンとは似ても似つかない小さな月が窮屈に並ぶ。JWSTの赤外線観測で、それらは氷が少なく黒っぽいと判明した。トリトンの捕獲で砕けた元の月が再び集まった二世代・三世代目の姿を、宇宙メディアSORABUMIが解説する。

土星の月タイタン、北の海の上で雲がわき上がる瞬間を初めてとらえた

土星最大の衛星タイタンの北半球で、雲がわき上がる様子をJWSTとケック望遠鏡がとらえた。降るのは水ではなくメタン。約30時間かけて雲を追い、地球の外にも季節と天気がめぐる世界があることを確かめた観測を、宇宙メディアSORABUMIがやさしく解説する。

海王星の淡い環が30年以上ぶりにくっきり、近づかず撮り直せた理由

1989年にボイジャー2号が間近で撮ったきり、ほとんど見えなかった海王星の淡い環。約45億km離れたJWSTが赤外線でとらえ直すと、メタンで本体が暗く沈み、環と7つの衛星が浮かび上がった。近づかずによく見えた逆転を宇宙メディアSORABUMIが解説する。

火星の月フォボスの砂10グラムで、長年の「生まれ故郷」論争にケリがつく

火星の小さな月フォボスから砂を10グラム持ち帰る——JAXAの探査機MMXが2026年10月に挑む。フォボスは小惑星が捕まったものか、火星に何かがぶつかった破片か。長年決着しない二つの説を、砂そのものの成分で決める。宇宙メディアSORABUMIが解説する。

太陽の表面は煮え立つ粒の海、地上の望遠鏡が30kmの磁気を写した

地上最大の太陽望遠鏡、ダニエル・K・イノウエ太陽望遠鏡が、1.5億km先の太陽表面で約30kmの構造を見分けた。テキサス州サイズの粒が煮え立つ面と、20kmの磁気の筋。なぜ地上からそこまで見えるのかを、宇宙メディアSORABUMIが解説する。

マイナス180度のタイタンでは、混ざらない分子が新しい鉱物になる

水と油は混ざらない、似たものは似たものに溶ける――学校で習うこの化学の常識が、土星の衛星タイタンの約94ケルビン(約-179℃)では書き換わる。ベンゼンとエタンが手を組み、地球には存在しない「共結晶」という鉱物ができる。

火星の月フォボスの砂を持ち帰れば、その出どころが土そのものから分かる

2026年度に打ち上がるJAXAのMMXが、火星の月フォボスに着陸して砂を採取する。直径22kmのこの月が『捕まった小惑星』か『火星のかけら』か、持ち帰った土の同位体で決着させる。火星圏からの世界初のサンプルリターンを宇宙メディアSORABUMIが解説する。

月の裏側の砂で判明、地球の磁場が表側だけを太陽風からかばっていた

中国の嫦娥6号が月の裏側から持ち帰った1.935gの砂を調べると、太陽風の粒子が表側より深く刻まれていた。地球の磁場が表側に届く風を秒速400kmから200kmへ弱めていたためらしい。同じ月なのに表と裏で歴史が違う理由を、宇宙メディアSORABUMIが解説する。

恐竜を滅ぼした隕石は、地層のニッケルが木星の外の出身だと明かした

6600万年前に恐竜を滅ぼした隕石の本体はもう残っていない。それでも世界中の地層に刻まれたニッケルの同位体比から、正体が隕石全体の数%しかない希少な炭素質の石『COコンドライト』で、木星の外の冷たい領域生まれだと特定された。宇宙メディアSORABUMIが読み解く。

月ではないのに地球のそばを離れず一緒に太陽を回る石、カモオアレワ

地球には月のほかに、太陽をほぼ同じ1年で回りながらそばを離れない小さな石がある。カモオアレワは地球の重力に捕まっていないのに、月の38〜100倍の距離で共に太陽を巡る。その中途半端な距離感の正体を、宇宙メディアSORABUMIが日常のスケールで解説する。

火星の石は地球に入れる前に、月で足止めしたほうがいい

火星のサンプルを地球へ直接持ち込む前に、月の検疫施設でまず調べるべきだ——2026年6月にそんな提案が学術誌に載った。アポロの隔離やはやぶさの帰還をたどり、なぜ月を『玄関先』にする発想が出てきたのかを宇宙メディアSORABUMIが解説する。

800年前の太陽嵐を年輪と古文書が証明した ── 鎌倉時代の空で何が起きていたのか

日本の研究チームが、1200〜1201年ごろに巨大な太陽嵐が起きていたと特定した。証拠は2つ。北日本の埋没木の年輪に刻まれた炭素14の急増と、藤原定家が日記「明月記」に書き残した「北天の赤き光」。800年越しの照合が示す、太陽の暴れ方と私たちへの教訓。

彗星が壊れるとき、宇宙は何を見せるのか ── 崩壊の仕組みと太陽系の歴史

彗星はなぜバラバラになるのか。潮汐力・熱膨張・自転加速という3つの崩壊メカニズムを解説し、シューメーカー・レヴィ9彗星の歴史的衝突が科学にもたらした発見を紹介する。宇宙メディアSORABUMI(そらぶみ)。

惑星はどうやって生まれるのか ── ちりの円盤から世界ができるまで

太陽系の惑星がどのように生まれたのか、ガスと塵の雲から始まり数億年かけて岩石惑星や巨大ガス惑星が形成される仕組みを宇宙メディアSORABUMIが解説。系外惑星研究が明かす多様な惑星系の姿も紹介する。

太陽系に別の星から届いた石 ── 恒星間彗星3I/ATLASがわかってきた

2025年に発見された恒星間彗星3I/ATLASは、なぜ「よそから来た」とわかるのか。双曲線軌道の意味、ʻOumuamuaや2I/Borisovとの違い、ESAとNASAが急いで観測に動いた理由、そして残されたデータが銀河系の惑星形成史解明につながる可能性まで。