太陽系のなかまたち

太陽と惑星、月、彗星、小惑星。私たちのご近所、太陽系の素顔に迫る。

69本の記事

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海王星の小さな月ヒッポカンプは、砕けた月のかけらでできた三世代目

海王星の内側には、大きなトリトンとは似ても似つかない小さな月が窮屈に並ぶ。JWSTの赤外線観測で、それらは氷が少なく黒っぽいと判明した。トリトンの捕獲で砕けた元の月が再び集まった二世代・三世代目の姿を、宇宙メディアSORABUMIが解説する。

土星の月タイタン、北の海の上で雲がわき上がる瞬間を初めてとらえた

土星最大の衛星タイタンの北半球で、雲がわき上がる様子をJWSTとケック望遠鏡がとらえた。降るのは水ではなくメタン。約30時間かけて雲を追い、地球の外にも季節と天気がめぐる世界があることを確かめた観測を、宇宙メディアSORABUMIがやさしく解説する。

海王星の淡い環が30年以上ぶりにくっきり、近づかず撮り直せた理由

1989年にボイジャー2号が間近で撮ったきり、ほとんど見えなかった海王星の淡い環。約45億km離れたJWSTが赤外線でとらえ直すと、メタンで本体が暗く沈み、環と7つの衛星が浮かび上がった。近づかずによく見えた逆転を宇宙メディアSORABUMIが解説する。

火星の月フォボスの砂10グラムで、長年の「生まれ故郷」論争にケリがつく

火星の小さな月フォボスから砂を10グラム持ち帰る——JAXAの探査機MMXが2026年10月に挑む。フォボスは小惑星が捕まったものか、火星に何かがぶつかった破片か。長年決着しない二つの説を、砂そのものの成分で決める。宇宙メディアSORABUMIが解説する。

人が月に立つ前に、機械だけで17回──月面基地は無人の下見から始まる

人類が月に戻る前に、NASAは無人の着陸機だけで17件・60以上の観測機器を月面へ送り込む。総額およそ26億ドルの“下見”だ。なぜ人ではなく機械を何十回も先に送るのか──氷のありか、着陸精度、電気と通信の当てを確かめる長い助走を、宇宙メディアSORABUMIが読み解く。

宇宙で部品を一つ替える船外活動は、体から窒素を抜くことから始まる

ISSで部品を交換する船外活動はたいてい5〜8時間。しかも宇宙飛行士は外に出る前に数時間かけて体から窒素を抜き、作業1時間につき約7時間を水中訓練にあてる。宇宙で「直す」とは何かを、宇宙メディアSORABUMIが船外活動の準備から順にたどっていく。

小惑星に体当たりして軌道を変えた実験の答え合わせに、別の探査機が向かう

2022年9月、探査機DARTが小惑星ディモルフォスに体当たりし、公転周期を32分も縮めた。この実験の答え合わせに、ESAのヘラが2026年11月に現場到着する。宇宙の防衛が二段構えである理由を、宇宙メディアSORABUMIが解説する。

太陽の表面は煮え立つ粒の海、地上の望遠鏡が30kmの磁気を写した

地上最大の太陽望遠鏡、ダニエル・K・イノウエ太陽望遠鏡が、1.5億km先の太陽表面で約30kmの構造を見分けた。テキサス州サイズの粒が煮え立つ面と、20kmの磁気の筋。なぜ地上からそこまで見えるのかを、宇宙メディアSORABUMIが解説する。

どんな高性能な新品の望遠鏡でも、10年前の木星の嵐は撮り直せない

世界一の新品望遠鏡を今日打ち上げても、10年前の木星は撮れない。1990年から働くハッブルは、大赤斑の外側の風が2009年から2020年で最大8%速まった変化まで記録していた。望遠鏡の価値を『性能の新しさ』ではなく『見続けた時間の長さ』で測る話を、宇宙メディアSORABUMIが解説する。

マイナス180度のタイタンでは、混ざらない分子が新しい鉱物になる

水と油は混ざらない、似たものは似たものに溶ける――学校で習うこの化学の常識が、土星の衛星タイタンの約94ケルビン(約-179℃)では書き換わる。ベンゼンとエタンが手を組み、地球には存在しない「共結晶」という鉱物ができる。

火星の月フォボスの砂を持ち帰れば、その出どころが土そのものから分かる

2026年度に打ち上がるJAXAのMMXが、火星の月フォボスに着陸して砂を採取する。直径22kmのこの月が『捕まった小惑星』か『火星のかけら』か、持ち帰った土の同位体で決着させる。火星圏からの世界初のサンプルリターンを宇宙メディアSORABUMIが解説する。

月の裏側の砂で判明、地球の磁場が表側だけを太陽風からかばっていた

中国の嫦娥6号が月の裏側から持ち帰った1.935gの砂を調べると、太陽風の粒子が表側より深く刻まれていた。地球の磁場が表側に届く風を秒速400kmから200kmへ弱めていたためらしい。同じ月なのに表と裏で歴史が違う理由を、宇宙メディアSORABUMIが解説する。

恐竜を滅ぼした隕石は、地層のニッケルが木星の外の出身だと明かした

6600万年前に恐竜を滅ぼした隕石の本体はもう残っていない。それでも世界中の地層に刻まれたニッケルの同位体比から、正体が隕石全体の数%しかない希少な炭素質の石『COコンドライト』で、木星の外の冷たい領域生まれだと特定された。宇宙メディアSORABUMIが読み解く。

狙う彗星がまだ見つかっていないうちに、先に打ち上げる待ち伏せ探査機

ESAのComet Interceptorは、目的地の彗星がまだ発見されていないうちに打ち上げ、宇宙の待機点で待つ。太陽に一度も近づいたことのない彗星や恒星間天体を、母機と子機の3機で多方向から捕まえる異例のミッションを、宇宙メディアSORABUMIが解説する。

落ちかけたNASAの宇宙望遠鏡を、別のロボットが掴んで押し上げに行った

2004年に高度600kmで動き出したNASAのスイフト望遠鏡が、大気の抵抗で400kmまで落ちてきた。このままでは2026年末に大気圏へ再突入する。そこで別のロボット衛星LINKが掴んで元の軌道へ押し上げる、前例のない救出が動き出した。宇宙メディアSORABUMIが解説する。

月ではないのに地球のそばを離れず一緒に太陽を回る石、カモオアレワ

地球には月のほかに、太陽をほぼ同じ1年で回りながらそばを離れない小さな石がある。カモオアレワは地球の重力に捕まっていないのに、月の38〜100倍の距離で共に太陽を巡る。その中途半端な距離感の正体を、宇宙メディアSORABUMIが日常のスケールで解説する。

火星の石は地球に入れる前に、月で足止めしたほうがいい

火星のサンプルを地球へ直接持ち込む前に、月の検疫施設でまず調べるべきだ——2026年6月にそんな提案が学術誌に載った。アポロの隔離やはやぶさの帰還をたどり、なぜ月を『玄関先』にする発想が出てきたのかを宇宙メディアSORABUMIが解説する。

月に倒れた着陸機を撮ったのは、おもちゃ技術の250g球体だった

月面にうつ伏せで倒れた着陸機SLIMの姿を撮ったのは、タカラトミーの変形玩具技術で作られた直径80mm・250gの球体SORA-Qだった。火星探査車の約4000分の1という軽さで、なぜ小さく単純な設計が過酷な現場で強かったのか。宇宙メディアSORABUMIが解説する。

月着陸ミッションのはずのアルテミス3が、月に降りないことになった理由

2026年6月9日、NASAはアルテミス3の4人を発表した。だが彼らは月面に立たない。地球を約2週間回り、ブルー・オリジンとスペースXの着陸船とドッキング試験をするだけ。月着陸は2028年のアルテミス4へ持ち越された。本番の前にもう一つ本番がある、という宇宙開発のリアルを追う。

スターシップV3は何が変わったのか ── Raptor 3と「量産できるロケット」への転換

SpaceXのスターシップが第3世代に進化した。Raptor 3エンジン、グリッドフィンの削減、ホットステージの一体化。単なる改良ではなく、量産と完全再使用を前提にした根本的な設計変更の中身を整理する。

800年前の太陽嵐を年輪と古文書が証明した ── 鎌倉時代の空で何が起きていたのか

日本の研究チームが、1200〜1201年ごろに巨大な太陽嵐が起きていたと特定した。証拠は2つ。北日本の埋没木の年輪に刻まれた炭素14の急増と、藤原定家が日記「明月記」に書き残した「北天の赤き光」。800年越しの照合が示す、太陽の暴れ方と私たちへの教訓。

彗星が壊れるとき、宇宙は何を見せるのか ── 崩壊の仕組みと太陽系の歴史

彗星はなぜバラバラになるのか。潮汐力・熱膨張・自転加速という3つの崩壊メカニズムを解説し、シューメーカー・レヴィ9彗星の歴史的衝突が科学にもたらした発見を紹介する。宇宙メディアSORABUMI(そらぶみ)。

惑星の引力を「タダ乗り」する技 ── 重力アシストが宇宙探査を変えた理由

燃料ゼロで探査機を加速できる「重力アシスト」とは何か。ボイジャーからサイキーまで、宇宙航行の一番賢いトリックを解説する。惑星の「動き」を借りるだけで太陽系の果てまで届く、その仕組みを丁寧にほぐしてみる。

ISSが消えた後、宇宙の拠点はどこへ行くのか ── 民間ステーション時代の現実

国際宇宙ステーション(ISS)は2030年代に退役する。代わりに宇宙に浮かぶのは、民間企業が建造・運営する商業宇宙ステーションだ。宇宙の「民営化」が何を変え、何を変えないのかを宇宙メディアSORABUMIが解説する。

惑星はどうやって生まれるのか ── ちりの円盤から世界ができるまで

太陽系の惑星がどのように生まれたのか、ガスと塵の雲から始まり数億年かけて岩石惑星や巨大ガス惑星が形成される仕組みを宇宙メディアSORABUMIが解説。系外惑星研究が明かす多様な惑星系の姿も紹介する。

月のまわりを回る宇宙駅 ── Gatewayって結局なんのためにあるの?

アルテミス計画の中で、月の表面でも地球の軌道でもない場所に置かれるステーションがある。その名もGateway。月のまわりを楕円で回る小さな拠点は、なぜわざわざそこに作られるのか。ISSとの違いと、NRHOという不思議な軌道の仕組みを解きほぐす。

ロケットを「使い捨てない」という発想 ── スターシップが宇宙輸送を書き換える理由

SpaceXのスターシップは、打ち上げたロケットをほぼそっくり地球に戻して、また飛ばす。何が難しくて、なぜそれが宇宙輸送そのものを変えると言われているのか。第2世代機Block 3が飛ぼうとしている今、仕組みとインパクトを素朴なところから整理する。

宇宙のゴミが宇宙を閉じこめる ── ケスラーシンドロームという連鎖

軌道上の人工物は今や約3万個。壊れた衛星やロケットの残骸がぶつかり合うと、破片が破片を生む連鎖反応が始まる。ケスラーシンドロームの正体と、2026年時点で見えてきた危険な高度を整理する。

太陽系に別の星から届いた石 ── 恒星間彗星3I/ATLASがわかってきた

2025年に発見された恒星間彗星3I/ATLASは、なぜ「よそから来た」とわかるのか。双曲線軌道の意味、ʻOumuamuaや2I/Borisovとの違い、ESAとNASAが急いで観測に動いた理由、そして残されたデータが銀河系の惑星形成史解明につながる可能性まで。