宇宙でくらす
無重力での食事、睡眠、健康管理。宇宙ステーションの日常と未来の宇宙移住。
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無重力で育てた抗がん剤キイトルーダの結晶が、点滴を一本の注射に変えた
重力があると結晶は沈んで偏り、粒がそろわない。だから製薬会社メルクは抗がん剤キイトルーダの結晶を国際宇宙ステーションで育てた。宇宙では39マイクロメートルの均一な粒がそろい、その成果が点滴を皮下注射に変える注射薬につながっている。宇宙の地味な実験は、もう地上の患者の腕に届いている。
宇宙では涙がこぼれない──体を洗うのはコップ1杯、尿も飲み水に戻る
無重力では水は下に落ちず、表面張力で丸い玉になって漂う。だから泣いても涙は頬を伝わず、目のまわりに溜まっていく。体を洗うのはコップ1杯ぶんの150〜200mL。しかも尿や汗、吐く息の湿気まで集めて98%を飲み水に戻している。蛇口の水が落ちるのは、当たり前じゃなかった。
宇宙にしばらく住むと体は宇宙用に作り替えられる──骨は毎月1%減る
無重力に入ると体液が頭へ流れて顔がむくみ、脚は細くなる。心臓は形を変えてサボりはじめ、体重を支える骨は『もう支えなくていい』と毎月1〜1.5%ずつ溶けていく。背骨は伸びて背が高くなり、目の見え方まで変わる。体が地上仕様を勝手に解除していく、宇宙飛行士の体の話。
宇宙で部品を一つ替える船外活動は、体から窒素を抜くことから始まる
ISSで部品を交換する船外活動はたいてい5〜8時間。しかも宇宙飛行士は外に出る前に数時間かけて体から窒素を抜き、作業1時間につき約7時間を水中訓練にあてる。宇宙で「直す」とは何かを、宇宙メディアSORABUMIが船外活動の準備から順にたどっていく。
ISSが消えた後、宇宙の拠点はどこへ行くのか ── 民間ステーション時代の現実
国際宇宙ステーション(ISS)は2030年代に退役する。代わりに宇宙に浮かぶのは、民間企業が建造・運営する商業宇宙ステーションだ。宇宙の「民営化」が何を変え、何を変えないのかを宇宙メディアSORABUMIが解説する。
太陽嵐が火星を直撃したとき、何が起きるのか ── 磁場のない星での生存問題
複数の火星探査機が太陽嵐の到達を同時観測した。磁気圏を失った火星では、地球の何倍もの放射線が表面に降り注ぐ。火星有人探査の最大の障壁を探る。