宇宙では涙がこぼれない──体を洗うのはコップ1杯、尿も飲み水に戻る
無重力では水は下に落ちず、表面張力で丸い玉になって漂う。だから泣いても涙は頬を伝わず、目のまわりに溜まっていく。体を洗うのはコップ1杯ぶんの150〜200mL。しかも尿や汗、吐く息の湿気まで集めて98%を飲み水に戻している。蛇口の水が落ちるのは、当たり前じゃなかった。
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無重力では水は下に落ちず、表面張力で丸い玉になって漂う。だから泣いても涙は頬を伝わず、目のまわりに溜まっていく。体を洗うのはコップ1杯ぶんの150〜200mL。しかも尿や汗、吐く息の湿気まで集めて98%を飲み水に戻している。蛇口の水が落ちるのは、当たり前じゃなかった。
無重力に入ると体液が頭へ流れて顔がむくみ、脚は細くなる。心臓は形を変えてサボりはじめ、体重を支える骨は『もう支えなくていい』と毎月1〜1.5%ずつ溶けていく。背骨は伸びて背が高くなり、目の見え方まで変わる。体が地上仕様を勝手に解除していく、宇宙飛行士の体の話。