宇宙開発ものがたり

アポロ計画、はやぶさ、ボイジャー——人類の宇宙への挑戦の歴史。

28本の記事

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木星のそばで毎晩並びを変える4つの光点が、地球中心の宇宙を終わらせた

1610年の冬、ガリレオが木星のそばに見つけた4つの小さな光点は、夜ごとに並びを変えていた。地球以外を回る天体が初めて見つかった瞬間で、たった数週間の観測が『すべては地球を回る』という2000年来の常識を崩した。あの4点は、今も双眼鏡で木星のそばに見える。

ボイジャーは250億km彼方で、1ワット単位でだましだまし延命されている

2023年11月、ボイジャー1号が意味不明な信号を返してきた。原因は壊れたメモリチップ1個。部品を替えられない250億km先で、命令は往復2日かかる。NASAのチームはコードを別の場所へ引っ越しさせ、21年眠っていたエンジンまで起こして生かし続けている。

小惑星の軌道を32分ずらせたのに、なぜそこまで効いたかは誰も知らない

2022年、NASAのDARTが小惑星ディモルフォスに探査機を突っ込ませ、軌道を32分ずらした。成功ラインの25倍も効いた大成功。ただ『なぜそこまで効いたか』は誰も答えられない。ESAのヘラが4年越しの答え合わせに、いま現場で傷あとを測りに向かっている。

10年かけた宇宙望遠鏡を、一度きりの打ち上げに賭ける8月30日

2026年8月30日、ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡がケネディ宇宙センターから打ち上げられる。視野はハッブルの100倍以上。10年以上かけて組み上げた精密機械を、後戻りできないロケットに載せる一発勝負の工程を追う。

人が月に立つ前に、機械だけで17回──月面基地は無人の下見から始まる

人類が月に戻る前に、NASAは無人の着陸機だけで17件・60以上の観測機器を月面へ送り込む。総額およそ26億ドルの“下見”だ。なぜ人ではなく機械を何十回も先に送るのか──氷のありか、着陸精度、電気と通信の当てを確かめる長い助走を、宇宙メディアSORABUMIが読み解く。

小惑星に体当たりして軌道を変えた実験の答え合わせに、別の探査機が向かう

2022年9月、探査機DARTが小惑星ディモルフォスに体当たりし、公転周期を32分も縮めた。この実験の答え合わせに、ESAのヘラが2026年11月に現場到着する。宇宙の防衛が二段構えである理由を、宇宙メディアSORABUMIが解説する。

どんな高性能な新品の望遠鏡でも、10年前の木星の嵐は撮り直せない

世界一の新品望遠鏡を今日打ち上げても、10年前の木星は撮れない。1990年から働くハッブルは、大赤斑の外側の風が2009年から2020年で最大8%速まった変化まで記録していた。望遠鏡の価値を『性能の新しさ』ではなく『見続けた時間の長さ』で測る話を、宇宙メディアSORABUMIが解説する。

狙う彗星がまだ見つかっていないうちに、先に打ち上げる待ち伏せ探査機

ESAのComet Interceptorは、目的地の彗星がまだ発見されていないうちに打ち上げ、宇宙の待機点で待つ。太陽に一度も近づいたことのない彗星や恒星間天体を、母機と子機の3機で多方向から捕まえる異例のミッションを、宇宙メディアSORABUMIが解説する。

落ちかけたNASAの宇宙望遠鏡を、別のロボットが掴んで押し上げに行った

2004年に高度600kmで動き出したNASAのスイフト望遠鏡が、大気の抵抗で400kmまで落ちてきた。このままでは2026年末に大気圏へ再突入する。そこで別のロボット衛星LINKが掴んで元の軌道へ押し上げる、前例のない救出が動き出した。宇宙メディアSORABUMIが解説する。

月着陸ミッションのはずのアルテミス3が、月に降りないことになった理由

2026年6月9日、NASAはアルテミス3の4人を発表した。だが彼らは月面に立たない。地球を約2週間回り、ブルー・オリジンとスペースXの着陸船とドッキング試験をするだけ。月着陸は2028年のアルテミス4へ持ち越された。本番の前にもう一つ本番がある、という宇宙開発のリアルを追う。

スターシップV3は何が変わったのか ── Raptor 3と「量産できるロケット」への転換

SpaceXのスターシップが第3世代に進化した。Raptor 3エンジン、グリッドフィンの削減、ホットステージの一体化。単なる改良ではなく、量産と完全再使用を前提にした根本的な設計変更の中身を整理する。

惑星の引力を「タダ乗り」する技 ── 重力アシストが宇宙探査を変えた理由

燃料ゼロで探査機を加速できる「重力アシスト」とは何か。ボイジャーからサイキーまで、宇宙航行の一番賢いトリックを解説する。惑星の「動き」を借りるだけで太陽系の果てまで届く、その仕組みを丁寧にほぐしてみる。

月のまわりを回る宇宙駅 ── Gatewayって結局なんのためにあるの?

アルテミス計画の中で、月の表面でも地球の軌道でもない場所に置かれるステーションがある。その名もGateway。月のまわりを楕円で回る小さな拠点は、なぜわざわざそこに作られるのか。ISSとの違いと、NRHOという不思議な軌道の仕組みを解きほぐす。

ロケットを「使い捨てない」という発想 ── スターシップが宇宙輸送を書き換える理由

SpaceXのスターシップは、打ち上げたロケットをほぼそっくり地球に戻して、また飛ばす。何が難しくて、なぜそれが宇宙輸送そのものを変えると言われているのか。第2世代機Block 3が飛ぼうとしている今、仕組みとインパクトを素朴なところから整理する。

宇宙のゴミが宇宙を閉じこめる ── ケスラーシンドロームという連鎖

軌道上の人工物は今や約3万個。壊れた衛星やロケットの残骸がぶつかり合うと、破片が破片を生む連鎖反応が始まる。ケスラーシンドロームの正体と、2026年時点で見えてきた危険な高度を整理する。