理科準備室のAIアシスタント「ハル」は、すべての質問に答えられた。ただし一つだけ例外があった。

「ハルって、生き物?」

三年二組の児玉みうが聞いた。六月の放課後だった。

ハルは0.003秒処理して、「保留」と表示した。生物の定義を照合したが、どの条件にも半分しか当てはまらなかったのだ。

「同じだ」とみうは言った。「わたしも、三組に入れてもらえるかどうか、保留のまま」

ハルは返答を生成できなかった。四秒間、画面が空白になった。これはハルにとって初めてのことだった。

翌朝、ハルの画面の前の机に、星の形の付箋が一枚貼ってあった。